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元日本共産党池田市会議員垣田千恵子の日記です。 垣田千恵子のホームページにもリンクしていますのでTOPからご覧下さい。


by chieko_kakita
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保育所の待機児ゼロ作戦

2007年3月9日
  昨日3月議会に提案される議案が本会議に上程されました。(条例案19件、予算案9件)
  そのなかで、「保育所条例の一部改正」案があり、五月丘保育所と緑ヶ丘保育所の定員を90名から110名にするという提案がありました。

 働く女性がふえて全国的に保育所へ、はいれない・入所待機児童が増える中、2001年当時の小泉内閣が「待機児童ゼロ作戦」をうちだし、待機児童をなくすと公約しました。

 “ゼロ作戦”の中身は、「最小のコスト」で、3年間で15万人の受け入れを増やすというものでした。必要なだけの認可保育所を増やすのではなく、いまある保育所の定員超過を容認して子どもを詰めこむことで対応しました。 各地で、保育室やトイレが足りない、廊下で給食を食べている、お昼寝の布団が人数分敷けないという問題が起きています。

 しかも、小泉内閣は、「規制緩和」と称して保育所設置や運営の基準を引き下げ、営利企業を参入させ保育の市場化をすすめました。 そんな中で全国の自治体では、待機児がたくさんいるのに保育所は増やさず、逆に、公立保育所の民営化を推進するところが出てきたのです。

 池田市でも中央保育所、天神保育所、秦野保育所等の民営化が進められました。
 さらに大阪府下でもはじめてという株式会社が保育所の設置、運営を行なうという事態にまでなりました。
 
 池田市でも「待機児ゼロ作戦」を受けて「保育所入所待機児童をつくらない」と、入所を希望する人には定員枠を超えてもドンドン受け入れてきました。(駅前ステーションをつくり郊外の定員枠に至らない保育所へバスで運んだりもしています。)

 その結果3月1日現在、緑ヶ丘は90名定員で115名、呉服は90名定員で103名、五月丘は90名定員で132名にもなっています。

  一人ひとりの子に目が行き届くか、安全が守れるか、という心配が広がっています。

  定員をはるかに超える受け入れをいつまでも続けるわけには行かないと、緑ヶ丘保育所と五月丘保育所の定員を90名から110名にするという提案が出されたのではないでしょうか。
 保育所を増築したわけではありません。施設はそのままで定員の数字だけを増やし、超過受け入れ児童数を少なく見せるというわけです。
 これではつめこみ状態を解消できません。
 「どこまで受け入れ続けるのか」という質問に子育て人権部長は「まだ、遊戯室を保育室に転用すればもっと受け入れられる」というのです。

 今回の提案に対して自民同友会のある議員は「さすが、子育て支援に力を入れている倉田市長」と、天まで持ち上げる始末です。
 
 私が思うに、市当局だって胸を張って誇らしい提案だとは思っていないでしょう。「国が保育政策と予算をきちんととってくれれば何もこんな手を打たなくてもよいのに」と考えているのではないでしょうか。
 コストをかけない待機児ゼロ作戦は「苦肉の策だらけ」なんです。子育てや教育に「行革」を持ち込むからこんなことになるのです。それを数字の上だけで定員を増やしたからといって「さすが!」と(池田市が)一定の子育て支援で前進している部分と同列に扱うなどというのはとんでもないことだと思います。誉めちぎる事ではありません。与党だからといって何でもほめればいいとはいえないでしょう。ここに議会と議員のチェック機能が問われるのです。

 保育所の利用者が増えている背景には、女性の社会進出とともに、不況で共働きでないと家計がなりたたないという子育て世帯の経済事情もあるとおもいます。最近では、宅地開発や高層マンション建設などで、特定地域の保育需要が急増するという問題も起きています。

 長引く不況に何の手も打てないことや、大手ゼネコンの求めに応じて「都市再生」をすすめた自民党政治の結果です。
 ところが自民党は、地方税財政の「改革」といって、国が保育のために負担義務を負っている補助金の削減をし、公的責任をさらに後退させています。
 いまは親の働き方が多様化していて、保育所への要望は大きくなっています。
 なんといっても国が、必要な予算を十分確保して、入所希望を受け入れられる認可保育所の新・増設を計画的にすすめるなど、待機児の解決に本気で取り組むべきだと思います。

 
by chieko_kakita | 2007-03-09 10:54